2024年7月開始のアニメについて(その13)

 視聴したアニメの感想を記述しています。すべてを網羅している訳ではありませんけれども、いろいろです。

 今期は、事実上、「【推しの子】」一択という状況とはいえ、前回の時点で、「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」、「僕の妻は感情がない」、「魔王軍最強の魔術師は人間だった」、「俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~」が終了していますので、今回は寂しく思います。

「新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。」第12話(最終回)
 RPG のような世界を舞台とした作品でした。
 オープニング主題歌は、歌詞や曲が今ひとつであるだけでなく、串田アキラの歌唱に往年の勢いが感じられず、非常に残念に思いました。
 映像的な完成度が高くなく、特に主人公(リック・グラディアートル)のコスチュームデザインが致命的にダサいと思いました。女性の登場人物のキャラクタデザインは、特徴的であると思いました。
 物語としては、第1話~第3話で描かれた昇級試験が破滅的に面白くなく、ギャグ風味なのですけれども、まったく笑えませんでした。
 また、この時点では、主人公が外見だけで、すぐに、さえないオッサン呼ばわりされていたのですけれども、ケンシロウと大差のない体格に描かれている主人公がなぜそのようなことになるのかさっぱりわからないと思いました。
 そもそも、高々三十代程度で老けたつもりでいること自体が浅はかに思え、視聴打ち切りを本気で考えていました。
 しかしながら、第6話で作風がやや変更され、面白くなったと思いました。特に、第8話~第12話については、初めからこのような作風の方がよかったのではないかと思えました。
 第12話は、主人公とブロストン・アッシュオークの対戦のみならず、オリハルコン・フィストの創設に「英雄ヤマトの伝説」の作者であるラインハルト・ブロンズレオ(声:玄田哲章)がかかわったことがカイザー・アルサピエトを倒すという目的の由縁であることも描かれ、よいと思いました。
 物語としては、道半ばではあるものの、「拳王トーナメント」の後日譚的な描写が手厚く、切りの良い最終回であったと思いました。

「【推しの子】」第23話 ○
 名作である「【推しの子】」(2023年のアニメ)の第2期です。
 スタッフは、第1期と同一とのこと。
 この作品を視聴している間は、時間の経過が速く感じられ、あっという間に終わってしますように思えます。
 この作品は、最後まで見届ける所存です。
 「【推しの子】」といえば、第1期のオープニング主題歌(YOASOBI の「アイドル」)があまりに素晴らしかったため、第2期は、腐ったオープニング主題歌で作品が汚されてしまったとしか言いようない有様です。
 第2期の腐ったオープニング主題歌の CM が視野に入る度に不快になります。第2期の腐ったオープニング主題歌の歌唱を担当している奴等の非常識なピアスは一体何のつもりなのでしょうか。あの非常識なピアスは視聴者に対する嫌がらせが目的でしょうか。それとも、あの非常識なピアスで視聴者を威圧しているつもりでしょうか。そもそも、あの非常識なピアスが歌唱に必要であるとでもいうつもりでしょうか。歌唱を行うのに、視聴者を威圧する必要があるとでもいうつもりでしょうか。そのようなことだから、まともな歌唱ができないのです。
 第13話の「創作者としてのセンスが…」という鮫島アビ子の台詞をこの作品自体の第2期の腐ったオープニング主題歌の関係者に浴びせてやりたいです。
 毎回、同じようなことを記述しているのですけれども、第23話も、有馬かなを演じる潘めぐみ が上手く、この作品の要のように思えます。
 第23話は、新生B小町の活動やアクアと黒川あかね(声:石見舞菜香)の動向に、アクアとルビーの前世の回想を重ねることに終始するかと思いきや、サブタイトルの「【再会】」とは、そのような意味かという展開でした。
 ルビーが新生B小町を立ち上げた目的は、第1期から描かれていたのですけれども、第21話で再び描かれた意味がわかったように思いました。
 エンディングの映像が変更されたことも印象的でした。
 次回(最終回)は、10月6日(日曜日)の19時から放送とのこと。

「NieR:Automata Ver1.1a」第24話(最終回)
 「NieR:Automata Ver1.1a」の第2クールでした。
 スタッフは、第1クールと同一とのことでした。
 「NieR:Automata Ver1.1a」の主題歌といえば、第1クールの Aimer の「escalate」と amazarashi の「アンチノミー」が素晴らしかったのですけれども、第2クールも、LiSA の「ブラックボックス」と GEMS COMPANY の「灰ト祈リ」がよいと思いました。また、エンディングの映像もよいと思いました。
 第24話前半は、あくまでも A2 を破壊しようとする 9S(声:花江夏樹)がもはや悪役のようで、不憫に思えました。
 一方で、2B(声:石川由依)、9S、A2 に長く同行した影響で、ポッド042(声:安元洋貴)やポッド153 まで感情を持つに至ったということについてはよいと思ったのですけれども、その他のポッドの大群を相手に生き延びてしまうという展開には、無理があると思いました。
 最後の場面に登場したキャラクタは、アニメでの描写では何者かわかりません(アニメ以外のもので知っている人にしかわからない)ので、よくないと思いました。

「グレンダイザーU」第13話(最終回)
 過去、永井豪原作アニメのリメイク作品や続編アニメは、視聴に堪えないものばかりで、まさに死屍累々たる有様だったのですけれども、この作品は、そこそこまともであると思いました。
 「UFOロボ グレンダイザー」(1975年~1977年のアニメ)とは違い、マジンガーZ とドクターヘルの機械獣との戦闘がまだ継続しているとか、祖父である兜十蔵による光子力の研究成果のおかげで資産家となった兜甲児が趣味で秘密裏に正義の味方をやっているとか、テロンナとルビーナが双子の姉妹であるとか、ダブルスペイザー、マリンスペイザー、ドリルスペイザーが古代遺物で、牧葉ヒカルが巫女のような存在であるなど、なかなか強烈な設定でした。
 また、「UFOロボ グレンダイザー」ではなく、「宇宙円盤大戦争」(1975年の映画)の設定が引き継がれている点は、懐かしく思いました。
 物語の作風としては、昼メロのようなかったるさには、「宇宙円盤大戦争」との類似性が感じられ、デューク・フリードの精神面の弱さには、「UFOロボ グレンダイザー」との類似性が感じられるように思いました。一方で、デューク・フリードと兜甲児の関係には、やおい風味が垣間見え、近年の二次創作物のようであると思いました。
 第13話で、マジンガーX は、暴走したグレンダイザーの攻撃を受けてもまったく破損しなかったのですけれども、グレンダイザーの技術が転用されているとはいえ、地球製であるにもかかわらず、何ゆえにこれほどまでに頑丈であるのか疑問に思いました。
 また、第13話後半で登場したロケットパンチは、通常のロケットパンチではなく、大車輪ロケットパンチでした。これは、「マジンガーZ」(1972年~1974年のアニメ)でも、決め技のひとつとなっていましたので、懐かしく思いました。
 第12話の感想で、ドクターヘルの存在が蒸し返されたのは、今後の伏線かという主旨の記述を行っていたのですけれども、第13話では、まったく描かれませんでした。

「ダンジョンの中のひと」第12話(最終回)
 RPG のような世界を舞台に、ダンジョンの管理人を描く作品でした。
 RPG のような世界観を逆手に取ったような設定は面白いと思いました。
 制作は、OLM の Team Yoshioka とのことでした。
 映像的には、シンプルなキャラクタデザインが奏功しているのか、彩色と作画が綺麗で、戦闘場面などの動きもよいと思いました。
 第1話を視聴した時点では、映像的な完成度が高いと思ったのですけれども、第2話以降は、それほどでもなくなったように思えました。
 主題の着眼点も素晴らしいと思ったのですけれども、物語としては、戦闘主体の作品にしたかったのではないかと思えるような展開が多く、迷走気味であったように思えました。

「天穂のサクナヒメ」第13話(最終回)
 同名のゲームが原作とのことで、日本神話に似た世界観の作品でした。
 日本神話に似た世界観とはいっても、神名や神格は、本物の日本神話とは似て非なるもので、年代も神代ではなく、神々の君臨が継続している中世頃という設定のようでした。
 エンディング主題歌(「ORIGAMI」)がよいと思いました。
 制作は、P.A.WORKS とのことで、第1話の完成度の高い映像には、P.A.WORKS が久しぶりに本気を出したという印象を受けたのですけれども、回を重ねる毎に、戦闘場面などの描写がぞんざいになっていったように思えました。
 物語としても、第5話終盤での唐突な UFO の登場場面だけは、世界観を破壊したとしか思えず(原作ゲームでは、どのように説明されているのか知りませんけれども、少なくとも、アニメの描写では、訳がわかりませんでした)、第7話以降は、ゲーム原作ならではの距離感の欠如や時間感覚の曖昧さが前面に出てしまい、よくないと思いました。
 第13話は、冒頭から祭りが描かれていたのですけれども、第10話での壊滅的な状況から、どの程度の時間が経過したのかがまったく描かれていませんでしたので、訳がわからない(何ゆえに祭りが可能な状況になったのかがわからない)と思いました。
 また、稲が復活していたことにも仰天してしまいました。一体、いつの間に、どのように復活したのでしょうか。
 その間、大龍(オオミズチ)は、待っていてくれたとでもいうのでしょうか。
 決戦序盤、大龍(オオミズチ)を目前に、不敵に米を食すサクナヒメの有様と、第13話のエンディング主題歌(「ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―」)だけはよいと思いました。
 前述のような物語の流れの悪さも矛盾点も何もかも、エンディング主題歌(「ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―」)のよさで救われたように思いました。

「逃げ上手の若君」第12話(最終回)
 北条時行を描く作品で、作風としては、「義経」(2005年の大河ドラマ)に類似しているように思えました。
 制作は、CloverWorks とのことで、作画も動きもよいと思いました。
 主題歌はまるで駄目で、オープニングとエンディングの映像もふざけすぎていました。
 第12話は、弧次郎の成長が描かれたことが印象的でした。
 一方、主人公(北条時行)の方は、危険な状況でこそ、楽しまないことを「もったいない」というに違いないと思ったら、本当にそのとおりで、視聴しながらにやけてしまいました。
 続編が制作されるのであれば、視聴したいと思います。

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「菜なれ花なれ」第12話(最終回) ×
 チアリーディングを主題としたオリジナルアニメでした。
 制作は、P.A.WORKS とのこと。監督は、秀逸な作品である「BanG Dream! 2nd Season」(2019年のアニメ)、「BanG Dream! 3rd Season」(2020年のアニメ)、「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(2023年のアニメ)と同一とのことで、P.A.WORKS が 3DCG が得意なサンジゲンから監督を借りてきたように思えました。
 P.A.WORKS 制作らしく、キャラクタデザインと作画がよく、動きも素晴らしいと思いました。
 しかしながら、「スタンド攻撃」が始まったのかと思うようなジョジョの奇妙な色彩(要するに目が腐るような狂った色彩)の所為で、P.A.WORKS が得意とする作画も背景美術も台無しで、P.A.WORKS 制作にしては珍しく、映像で失敗してしまっていました。
 正常な色彩でまともに制作した方が高い評価を得られたように思いました。
 エンディング主題歌(「with」)の曲がよいと思いました。
 物語の作風としては、P.A.WORKS 制作の「TARI TARI」(2012年のアニメ)に近い作風に思えるのですけれども、P.A.WORKS の「お仕事シリーズ」である「サクラクエスト」(2017年のアニメ)と似たようなエピソードが混じる(第4話~第7話)辺りには、作風の迷走が感じられ、よくなかったと思いました。
 第8話以降がこの作品の本筋のように思え、初めから、第8話以降のような作風で一貫していれば、もっと楽しめる作品になったように思いました。
 第12話は、愛江田毬(声:市ノ瀬加那)の失踪の件やヒロイン(美空かなた)と生天目華との関係や愛江田毬とチア部の部長である伊沢野苺の関係など、PoMPoMs と HAWK WINGS(鷹ノ咲高校チアリーディング部)のメンバの目前の問題を収拾させる結末とはなったのですけれども、物語としての余韻が非常に乏しく、最終回らしさが欠如していたように思えました。

「魔導具師ダリヤはうつむかない」第12話(最終回)
 異世界転生モノですけれども、アトリエシリーズのような作風でした。
 この作品における異世界は、RPG でよくある中世欧州のような異世界というよりは、動力に魔石を利用する文明が発達した近世のようでした。
 映像的には、背景美術などは、それなりである思うのですけれども、人物の描写については、キャラクタデザインに作画がまったく追いついていないという印象で、よくありませんでした(本来のキャラクタデザインは、エンディングで使用されている立ち絵のような絵柄)。
 物語自体がそこそこ面白いだけに、作画と演出の悪さが非常に残念に思えました。
 第12話は、Aパートで描かれた魔剣製作の試行錯誤以外は、無理矢理にまとめにかかったという印象で、よくありませんでした。
 ヒロイン(ダリヤ・ロセッティ)の友人の一人で、服飾師のルチア・ファーノは、第8話以来の登場だったのですけれども、第12話の作画があまりにも酷いため、誰だかわかりませんでした。
 第12話終盤のヒロインとヴォルフレード・スカルファロットのバカップルエンドで、這い寄る魔剣の謎がほったらかしであったことも気になりました。
 続編を視聴したいというよりも、まともな作画ときちんとした演出で、第1話から制作をやり直せといいたいところです。

「恋は双子で割り切れない」第12話(最終回) ×
 ラブコメでした。
 制作の ROLL2 は、この作品以外には、元請がないようなのですけれども、その割には、完成度が高めであったと思いました。
 第5話までの主人公(白崎純)と神宮寺姉妹との「割り切れない」やりとりだけでも気持ち悪かったのですけれども、第6話での雨宮慈衣菜の登場には、呆れてしまいました。
 また、雨宮慈衣菜が神宮寺那織(声:内田真礼)と区別のつきにくいキャラクタデザインある点もよくないと思いました。
 神宮寺那織(声:内田真礼)が第4話で主人公を突き放しておきながら、その後でよりを戻そうとする神宮寺琉実から主人公を奪い返そうとするという展開は、最後まで気持ち悪いと思いました。
 この作品では、つまらないヲタクアピールがしつこく繰り返されていたのですけれども、第12話は、それをいうなら、「スーパーマン」もだろうと思いました。

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「戦国妖狐 千魔混沌編」
 「戦国妖狐」(2024年のアニメ)の第二部です。
 スタッフは、第一部と同一とのこと。
 第二部は、戦闘時の気合いの入った作画とそうでないときの腑抜けた作画との落差が激しいです。
 今回は、総集編でした。
 次回の放送は、10月9日とのこと。

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 前述以外で、視聴を継続しているアニメ:
  「わんだふるぷりきゅあ!」(2024年2月開始のアニメ)
  「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」(2024年4月開始のアニメ)(最終回)
  「転生したらスライムだった件 第3期」(2024年4月第3期開始のアニメ)(最終回)
  「SHY」(2024年7月第2期開始のアニメ)(最終回) ×